小林農園の日々

あづみの自然保育に思うこと

安曇野の、自然保育の魅力を写真やスライドで紹介する企画展が3月31日まで市役所1階西側ロビーにて開催中です。

さて、あづみの自然保育について一考します。

新年度は市の予算で、「あづみの自然保育ブランディング事業」に769万円の予算が組まれています。内容は、主に地域おこし協力隊に安曇野の自然保育を発信してもらいブランディングを図るとのことで、具体的な事業としては、認定こども園1園での園庭田んぼ実施、園庭軽トラマルシェ実施、講演会開催を計画しているそうです。園庭田んぼ、マルシェをは、農政部や教育部等とも連携して進めるとのことで、取り組み自体はとてもよいと思いますが、保育・子育てに関して大きな課題3点が解決されずに山積みになっているのではと、気になります。

1点目は待機児童の問題です。昨年10月時点で市の保育施設の待機児童は21名(潜在的待機児童は75名)で、県内で最多です。原因は、市が共働き家庭の増加を見込み違い、整備が追い付いていないことが挙げられます。現在は、0~2歳の30%が保育施設を利用することから、小規模保育所建設などの整備に取り組んでいる状況です。

2点目は、「子育て支援拠点施設」が未整備である問題です。主に0~2歳児とその家族が集える「子育てひろば」として、全国ても各自治体での整備が進んでいます。しかし安曇野市では、市社会福祉協議会が運営する児童館が用意する場とイベントに限られ(「連携型」という特殊な形態です。)ており、議会としても、令和元年度に「子育て支援拠点施設の設置」を市へ政策提言し、その後も働きかけを続けていますが、「設置するかどうかを検討する」という答えのみで、未だ実現に至っていません。

3点目は、近年増加している発達障がいへの対応です。成長の早い段階から子ども一人一人の特性や発達の状況を把握して、必要な支援ができる体制づくりが求められます。市が独自で療育施設を運営することも一考ではないかと考えます。

以上のような課題が積み残されたままで、自然保育のブランディングばかりが前面に出るバランス感覚に疑問が残ります。皆さまはどのようにお考えでしょうか。ぜひご意見をお聞かせください。