小林農園の日々

明科 天田山神宮の視察

明科の天田山の頂上に位置し、麓から登る道の続いている天田山神宮を視察しました。長年放置されていた神社を「里山再生プロジェクト(さとぷろ。)」の樹楽会のメンバーが中心となって昨年度から手入れをしています。

いみじくも、本日は昨日1月17日「山の神祭」明け。山の神祭は山の神に敬意を表して山に入らず山の安全を祈願する日、とのこと。天田山神宮の横にそびえ立つ大木(御神木と思われる)の根元が朽ちて本殿に倒れるのを防ぐため、伐採の作業が始まったところでした。ちなみに、伐採の費用は、会で間伐などで伐採した木を薪材として販売した資金から捻出したそうです。

かつては集落に36人いた氏子がいなくなって30年近く。山に登る急峻な山道には昨年の台風の影響もあってか倒木だらけ。樹楽会では鬱蒼と茂って空が全く見えなかった参道の木々を伐採して運び出し、藪を取り払って、里が見渡せるまでになりました。また、野生動物が入り込んで荒れていた本殿を掃除し、しめ縄と門松を飾って酒と塩をお供えしてお正月を迎えたとのことです。大変な作業だったことはビフォーアフターを見れば想像に難くありません。

手入れをする前の天田山神宮の様子。

ヤママユガの抜け殻

立派な灯篭には、天保年間(1830年頃)の銘が彫られていました。

人の住まなくなった家々が残る集落。

林道脇は倒木だらけ。

周辺には野蚕のヤママユガの抜け殻や鹿、猪のフンも多く落ちていて、豊かな里山の自然を満喫することができます。かつては小学生が遠足で登山をしたといいます。今後は、会で周辺を整備して桜の木を植えたり、将来的には里山ウォークや子どもたちの里山体験の場を目指すとのこと。多くの人が里山に親しめる場所になればいいなあと思いました。