小林農園の日々

12月【餅つき会】

年の瀬も押し迫った12月30日、餅つき会を開きました。もちろん、杵と臼で。明治の頃というので、ゆうに百年を超えているはず。
昔は何処の家庭でも搗いていたかもしれない餅つきは、とても大事な年中行事のひとつだったはず、ですが、忙しい現代においては、手間の代わりに包装された完成品の餅に取って変わられています。

「何か勿体無いよね。杵と臼があるのに。」

場、としての餅つきは、実は面白いです。
色んな役割を協力し分担しながら行なう。何もしない人がいないのです。

まずは、前日からお米を研ぎ、釜を用意して、杵と臼を水に浸して。今年は餅米2升(3kg)を4臼分。

朝からジャンジャンと火を焚き、蒸篭で餅米を炊くのですが、これが一苦労。何か他の仕事に気を取られて火力が落ちたり、炊いている途中で釜の水を足してしまい沸騰しなくなって餅米がペチャっとなったり。当初予定の搗き始め時間に遅れること1時間。なかなか一筋縄ではありません。

今回の参加者は、大人13人、子ども10人。
折からのインフルエンザ渦もあり、已む無く欠席の方もいましたが、大勢でやると楽しい!元気が出る!

子どもたちは最初の2臼くらいで大活躍。細身の杵は今年新調しましたが、とても役に立ち、入れ替わり立ち替わり、餅を搗くという感触をきゃあきゃあ言いながら楽しんでいました。女性の参加者も、手を離せない人を除いて、搗き手か返し手として、搗く現場に立ちました。

最後は、男性陣中心で。最初は余計に力が入り過ぎて、却ってうまく搗けなかったこともありましたが、お終いには、臼の真ん中にキチンと入り、ペッタン、ペッタン、の気持ちよい音が響きわたっていました。

搗いた餅は、延して、昼食用に取り分けて、鏡餅にして、というように分けていくと、あっという間に無くなってしまいました。特に鏡餅用は不足傾向で、来年への課題かな。

昼食用には、餡子、きな粉、胡麻味噌、納豆、みぞれの5種類の味を作りました。余ったら持ち帰ってもらおうかと思っていたのですが、これまた盛況で、ほぼ食べ尽くしてしまいました。足りないくらいがちょうどいいのかもしれないですね。
搗き立て餅との相性では納豆、みぞれが意外によかったかも。

卓を囲んで和気藹々と、楽しい昼食になりました。

毎年同じ時期に同じ行事をして、皆んなが集まる。新奇性がないからマンネリだという人もいるかもしれません。しかし、一年の頑張りを振り返り、また来る新しい年への期待を分かち合いながら、過ごすこの時間は、掛け替えのない貴重な一瞬一瞬かなぁと思うのです。

また、よい年になりますように。